YO!無礼な世界CHECK IT OUT!

コンビニで酒類を買おうとすると、年齢確認のボタンが出て来て、「はい」を押さねば酒が買えない。どう考えても年季の入った方も、そいつを押すように促され、頭の上にはてなを浮かべながらも、言われるがままだ。

嗚呼!なんたる悲劇!!我々人間はいつからこんなにもアホになってしまったのだろうか!!
そいつがルパン三世ならまだしも、見た目がジジイなら中身も間違いなくジジイだ。
そのしわ深い顔面も、皺の間に数十年蓄積された汗も、脂も、タバコのヤニも、ここでは成人であることを証明するのになんの役にも立たぬ。
ジジイにむかって成人ですかとはチャンチャラおかしい。どこにこんな無礼をなす国があろうか。未成年に酒を売りたくないあまり、人間としてもっと大切な礼儀を忘れてはいないか。

例えば銭湯で女湯に入ろうとした女性に番台が「あなたは女ですか」と聞いたらその女性は怒って帰ってしまうかもしれない。いくら男を女湯に入れたくないからと言って、女性にまで女ですかと聞くのは明らかにやり過ぎであるし、失礼だ。

まったく同様に、未成年に酒を売らないため、というのはジジイに成人かどうかを聞いてよい理由にはならない。考えてみてほしい。数十年間来る日も来る日も汗水垂らして働いて、辿り着いたのは深夜のコンビニ。そこでなけなしの銭で癒しを求めようとした矢先、「お前は本当に大人か」とはあまりにも酷である。今までの社会への貢献は無に帰されたも同然である。人間を小さな歯車の一つとしか見ていない社会の闇がばっくりと口を開ける瞬間である。

そんなことより、もっと確認すべきことがある。
餅である。ジジイは餅をせっせと口に運んでは、さらに病院まで運び、彼らの一部はそのまま天国まで運ぶという悪質な常習犯である。ジジイが餅を食おうなどと言うのは極めてリスクの高い危険行為であり、早急に禁止されて然るべきである。命と餅とどっちが大切ですかという話だ。
ジジイが成人かどうか確かめるようなコンビニならば当然、餅を買おうとした人がいれば、どの人に対しても、「あなたは本当に70歳未満ですか」と聞く必要がある。
本当に力のいれ所を間違っているとしか言いようがない。

社会全体がアホになっている場合は案外誰も気付かないものだ。未成年に酒を飲ませないようにする前にまず大人が酔いを覚ます必要があるようだ。