何かが僕の背後で爆発したら

 ツングースカ大爆発、という爆発を知っているだろうか。

 普段、なかなか「○○という爆発を知っているだろうか」などとは聞かれないであろうから、困惑するのも無理はない。これは、詳しいことは調べてもらえばありがたいのだが、およそ100年前に、ロシアで起こった謎の爆発のことである。ツングースカ「大」爆発、というのが通例らしいから、やはり爆発の中でも大きいほうだったと予想できる。
 で、ウィキペディアを読んでみると、なんとも穏やかではない。

強烈な空振(air burst) が発生し、半径約30キロメートルにわたって森林が炎上し、約2,150平方キロメートルの範囲の樹木がなぎ倒された。1,000キロメートル離れた家の窓ガラスも割れたという。破壊力はTNT火薬にして10-15メガトンと考えられている。爆発によって生じたキノコ雲は数百キロメートル離れた場所からも観測できた。

 しかもその原因が「いまだに特定されていない」というのだから、なんとも恐ろしい限りだ。つまり、明日、われわれの上空でこのような大爆発が起こったとしても、宇宙的にはなんだか「ままあること」という、ケセラセラ状態で処理されてしまうということである。

 いやいや、困るよそんなの。

 だいいち名前が良くない、「ツングースカ大爆発」って。ツンとしていたかと思いきや、いつの間にかグースカ寝ている。それで安心して、お母さんは台所に立ちますわな。で、わが子がすやすや眠っている間に、晩ご飯の支度ですよ。玉ねぎをトントントン、目に染みるわね、なんて思っていると、いきなりドカーーン!! みたいな?
 みたいな、じゃないよね、ごめんね。
 まあ、名前の面白さは置いておいて、恐いですよ、ほんとに。池袋サンシャイン水族館のペンギンの水槽に五分に一回水が投入される「ざばあ」という音にさえ肩がビクッと跳ね上がる僕からしたら、ツングースカ程の大爆発があったらもう、全身で飛び上がりますよ。っていうか、一瞬で炎上、そして蒸発、ですよ。ね。こわいね。

 あと、関係ないけど、災害についていえば、そろそろブログでも、不謹慎なこと、言いたかったりするね。今日も、ものすごく、ものすごーく不謹慎なネーミングのゆるキャラを考え付いて、これはもう、ものすごく面白いんだけど、圧倒的に、書けない。残念ながら、僕が面白いと思うことは、これは、っていうものほど、不謹慎でもあります。でも、誰かを不愉快にさせるものを手放しでゲラゲラ笑うほど、人間、別に面白くなくてもいいんじゃないかな、とも思うから。面白さ至上主義への諦め、みたいな、ひねくれた気持ちはありまして、だから、このゆるキャラは僕の心の中に、いまのところは封印します。
 やっぱり、はやく笑い飛ばしたいんですよ、「笑えない」っていうのすごく不自由なので。だから、はやく時間が経てばいいなとは思う。
 100年くらい経てば、って、生きてないか。